暦注下段(れきちゅうげだん)は、暦に記される選日や特定の吉凶日、方位の吉凶に関する情報を指します。これは、暦の中でも特に専門的で細かい部分であり、日常生活や重要な行事を計画する際の指針として用いられます。
暦注下段の主な種類
暦注下段にはさまざまな種類があり、それぞれ特定の行動に対する吉凶を示しています。以下は、代表的な下段の要素とその意味です。
以下に、代表的な暦注下段の種類とその意味をまとめます。
七箇の善日(ななこのぜんにち)
七つの吉日の総称で、以下が含まれます。
- 天赦日(てんしゃにち): 「百神が天に昇り万物の罪を赦す日」とされる最上の大吉日。
- 神吉日(かみよしにち): 神事に関連することが特に吉とされる日本独自の吉日。
- 大明日(だいみょうにち): 「太陽の日が天地を隅々まで照らす」とされ、万事において大吉の日。
- 鬼宿日(きしゅくび): 「鬼が宿にこもる日」で、一般には吉日だが、婚礼には凶とされる日。
- 天恩日(てんおんにち): 天の恩恵を受け、万事が成長しやすい日。祝い事に最適だが、葬儀などは避けるべきとされる。
- 母倉日(ぼそうにち): 「母が子を育てるように天が人間を慈しむ日」で、何事にも吉、特に婚礼は大吉とされる。
- 月徳日(つきとくにち): 月ごとの福を司る日で、万事に吉、特に建築や土木工事に良いとされる。
三箇の悪日(さんがのあくにち)
三つの凶日の総称で、以下が含まれます。
- 大禍日(たいかにち): 最も悪い日とされ、この日に物事を始めると争いのもとになるとされる。
- 狼藉日(ろうしゃくにち): この日を慎まずに過ごすと万事に失敗するとされる日。
- 滅門日(めつもんにち): この日を慎まずに過ごすと一家一門を亡ぼすとされる日。
その他の凶日
- 受死日(じゅしにち): 最悪の大凶日とされ、葬儀以外は慎むべき日。
- 十死日(じゅうしにち): 万事において凶とされる日で、葬式も避けるべきとされる。
- 五墓日(ごむにち): この日に葬儀を行うと墓を5つ並ぶとされ、土にまつわることは凶とされる日。
- 帰忌日(きこにち): 里帰りや旅行帰りなど、帰宅に関することが凶とされる日。
- 血忌日(ちいみにち): 血に関することが凶とされる日で、鍼灸や外科手術などは避けるべきとされる。
- 重日(じゅうにち): この日に行ったことは重なって起こるとされ、婚礼は再婚に繋がるので良くないとされる日。
- 復日(ふくにち): 重日と同様の効果があり、善行を行うと重複して大吉になるとされる日。
- 天火日(てんかにち): 家屋の修理や転居に凶とされる日で、棟上げや屋根葺きなどは避けるべきとされる。
- 地火日(ちかにち): 地面に関連する作業が凶とされる日で、動土や定礎などは避けるべきとされる。
- 凶会日(くえにち): 万事に忌むべき日で、吉事・慶事を行うことは凶とされる日。
- 往亡日(おうもうにち): 遠出や移転など「往く」ことが凶とされる日。
- 時下食(ときげじき): 特定の時間に食事をすると凶とされる時間帯。
暦注下段の活用
暦注下段は、以下のような場面で活用されています。
- 建築や引っ越し
三隣亡や往亡日を避け、吉日を選ぶ。 - 医療や健康管理
血忌日には手術を避けるなど、体に関わる行動の指針とする。 - 旅行や契約
往亡日や不成就日を避けて、計画を立てる。 - 日常生活
復日や大明日を活用して、新しいことや再挑戦を行う。
現代における暦注下段の意義
現代でも暦注下段はカレンダーや暦に記載され、重要な日取りを決める際の参考にされています。特に結婚式、引っ越し、手術など、人生の節目となる場面で、下段の吉凶を考慮することが多いです。
まとめ
暦注下段は、日々の生活や行事の計画に役立つ吉凶判断の重要な指針です。その意味を理解し、適切に活用することで、より良い結果を得るための助けとなります。