6月は、日本では「水無月(みなづき)」と呼ばれ、梅雨の季節が始まる月です。梅雨とは、日本の初夏を特徴づける長雨の季節であり、6月の多くの日が雨や曇り空に包まれます。この雨は作物を育て、豊かな実りをもたらすため、古来より大切な恵みの雨として捉えられてきました。

一方で湿度が高くなり、蒸し暑さを感じる日も増えるため、梅雨は人々にとってはやや不快な季節とも言えます。しかし、雨に濡れた緑や紫陽花の美しさ、そして雨音の静けさは、この季節特有の趣を感じさせます。また、6月は田植えが本格的に行われる月でもあり、日本の農業文化とも深い関わりがあります。


2025年(乙巳) 6月(癸未)

1




辛丑
旧暦5月6日
(仏滅)
2




壬寅
旧暦5月7日
(大安)
3

一粒万倍日


癸卯
旧暦5月8日
(赤口)
4

一粒万倍日


甲辰
旧暦5月9日
(先勝)
5

一粒万倍日
芒種
蟷螂生
乙巳
旧暦5月10日
(友引)
6

一粒万倍日


丙午
旧暦5月11日
(先負)
7




丁未
旧暦5月12日
(仏滅)
8




戊申
旧暦5月13日
(大安)
9




己酉
旧暦5月14日
(赤口)
10




庚戌
旧暦5月15日
(先勝)
11


入梅
腐草為蛍
辛亥
旧暦5月16日
(友引)
12




壬子
旧暦5月17日
(先負)
13




癸丑
旧暦5月18日
(仏滅)
14




甲寅
旧暦5月19日
(大安)
15




乙卯
旧暦5月20日
(赤口)
16



梅子黄
丙辰
旧暦5月21日
(先勝)
17

一粒万倍日


丁巳
旧暦5月22日
(友引)
18

一粒万倍日


戊午
旧暦5月23日
(先負)
19




己未
旧暦5月24日
(仏滅)
20




庚申
旧暦5月25日
(大安)
21


夏至
乃東枯
辛酉
旧暦5月26日
(赤口)
22




壬戌
旧暦5月27日
(先勝)
23




癸亥
旧暦5月28日
(友引)
24




甲子
旧暦5月29日
(先負)
25




乙丑
旧暦6月1日
(赤口)
26



菖蒲華
丙寅
旧暦6月2日
(先勝)
27




丁卯
旧暦6月3日
(友引)
28




戊辰
旧暦6月4日
(先負)
29

一粒万倍日


己巳
旧暦6月5日
(仏滅)
30

一粒万倍日


庚午
旧暦6月6日
(大安)
     

ふさわしい和歌3首

  1. 「五月雨は 露か涙か 不如帰 我が名をあげよ 雲の上まで」
    • 作者: 伝不詳(江戸時代の和歌)
    • 説明: 五月雨(さみだれ)とは旧暦の5月、現在の6月頃に降る長雨を指します。この歌では、雨が涙のように感じられる情景と、不如帰(ほととぎす)の鳴き声が詠まれ、梅雨のしっとりとした雰囲気を表現しています。
  2. 「紫陽花や 昨日も今日も 雨の空」
    • 作者: 与謝蕪村
    • 説明: 雨に濡れる紫陽花の情景を詠んだ歌。この歌は、6月の代表的な花である紫陽花の美しさと、連日の雨が作り出す梅雨の風情をシンプルに描いています。
  3. 「田植えする 手に雨そそぐ さみだれを 憂しとや思ふ 初夏の恵み」
    • 作者: 誰が詠んだかは伝わらず(民謡風)
    • 説明: 田植えの作業中に降る五月雨(梅雨の雨)を恵みとして捉える歌。農村の風景が鮮やかに描かれ、雨の中でも働く人々の様子が感じられます。

6月の情景、行事、出来事

6月の情景

  • 梅雨の雨
    雨が降り続き、草木や花々が瑞々しさを増す季節です。雨粒が葉や花に滴る情景は美しく、静かな雨音が日常に心地よさをもたらします。
  • 紫陽花(あじさい)の彩り
    紫陽花は6月を象徴する花で、青や紫、白などの花が雨の中で咲き誇ります。特に寺院や庭園では見事な紫陽花の景色が広がり、訪れる人々の心を和ませます。
  • 水田の風景
    田植えが終わった水田には、若い稲の苗が整然と植えられ、水面には空や山々が映り込む美しい光景が広がります。

6月の行事

衣替え(6月1日頃)

季節の変わり目に合わせて衣替えをする風習があります。学生や職場では制服が夏服に変わり、衣類が涼しげな素材や色合いに替わります。

夏越の祓(6月30日)

半年間の穢れを祓い清める神事で、多くの神社で「茅の輪くぐり」が行われます。茅(ちがや)で作られた輪をくぐることで厄除けを願い、清々しい気持ちで夏を迎える準備をします。

梅仕事

6月は梅の収穫期で、梅干しや梅酒、梅シロップ作りが盛んに行われます。家庭での梅仕事は、日本の伝統的な保存食文化を感じられる風習です。


6月の出来事

梅雨入り

全国的に梅雨が始まり、多くの地域で長雨の影響を受けます。農作物にとっては恵みの雨ですが、湿気が増えるためカビや食中毒の予防に注意が必要です。

田植えのピーク

農村では田植えが最盛期を迎えます。農作業に従事する人々の姿と、水田に広がる緑が日本の初夏を象徴する風景として描かれます。

初夏の自然

梅雨の合間には晴れの日もあり、初夏らしい爽やかな陽気が感じられることもあります。庭ではホタルが飛び交い、夜の静けさの中に幻想的な光景が広がります。


6月の特有の楽しみ方

  • 雨の日の楽しみ
    梅雨の時期には、傘やレインコートなどを工夫して雨の日を楽しむ方法があります。また、雨の音を聞きながらの読書や映画鑑賞も、静かな時間を過ごす魅力的な方法です。
  • 紫陽花巡り
    寺院や公園など紫陽花が咲き誇る名所を訪れるのは、6月ならではの楽しみ方です。雨の日にこそ美しい紫陽花の姿を堪能できます。
  • 梅を使った料理や飲み物
    梅干しや梅酒、梅シロップを使った料理や飲み物を楽しむのも、この季節の醍醐味です。梅の爽やかな酸味が蒸し暑さを和らげます。

6月のまとめ

6月は雨の季節である梅雨が日本の自然と文化を豊かに彩る月です。紫陽花や雨の風景、田植えの営みなど、独特の風情を感じさせます。一方で蒸し暑さや湿気も増えるため、工夫して快適に過ごすことが求められます。自然の恵みを感じながら、静かで落ち着いた時間を楽しむことができる月と言えるでしょう。