今日は2月2日、世界湿地の日です。1971年のこの日、イランのラムサールで「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」、通称ラムサール条約が採択されました。この条約は、湿地の保全と持続可能な利用を目的としたもので、現在では170以上の国が加盟し、2000を超える湿地が保護されています。
湿地はただの水辺ではなく、洪水の緩和や水の浄化、炭素の貯蔵といった役割を持っています。私たちの生活にも深く関わる重要な生態系の一つですが、都市開発や農地拡大などの影響で、世界中の湿地が急速に減少しています。日本でも、かつて広がっていた多くの湿地が埋め立てられ、姿を消してしまいました。湿地がなくなると、そこに生息する生き物が影響を受けるだけでなく、気候変動の悪化にもつながります。
湿地を訪れて感じたこと
数年前、北海道の釧路湿原を訪れたことがあります。どこまでも広がる湿地、風に揺れるヨシの葉、静かに流れる川。空を舞うタンチョウや湿原を歩くエゾシカの姿を目にしながら、ここには都会の喧騒とはまったく違う時間が流れているのだと感じました。
しかし、現地のガイドの方から釧路湿原の過去の姿について話を聞き、驚きました。かつては今の何倍もの広さがあったものの、開発によって徐々に面積が減少し、失われた部分も多いとのこと。実際、湿地を守るための活動が続けられているものの、完全に元の状態に戻すことは難しいそうです。目の前に広がる美しい景色も、長い時間をかけて守られてきたものなのだと実感しました。
私たちにできること
世界湿地の日は、改めて自然の大切さについて考えるきっかけになります。湿地の保全は、大規模な取り組みが必要なこともありますが、日常の中でできることもあるはずです。例えば、川や湖にゴミを捨てない、環境に配慮した商品を選ぶ、旅行先で自然を大切にするなど、小さな意識の積み重ねが大きな変化につながります。
私自身、この日を迎えるたびに「自然を守るために自分にできることは何か」と考えます。そして、訪れた釧路湿原の風景を思い出しながら、これからも自然と共に生きることの意味を大切にしていきたいと思います。