元旦の一日

新しい年が始まるときの空気は、いつもどこか特別な香りを含んでいるように感じます。今朝は夜明け前から目が覚めて、まだ薄暗い空を眺めながら、心の中で「今年こそは良い一年になりますように」と小さく祈りました。
ここ数日は大晦日からの準備で少し慌ただしかったので、いつもより少しだけ早起きして迎えたこの静かな時間は、自分自身の気持ちを落ち着ける大切なひとときだったと思います。

初詣の様子

朝の支度を済ませた後、家族と連れ立って近所の神社へ初詣に出かけました。初詣は毎年欠かさずに続けているわが家の恒例行事で、年明けの厳かな空気の中を歩きながら、「今年はどんな風に過ごしていこうか」「どんな目標を掲げようか」と自然と心が引き締まります。
神社に着くと、正月の華やかな飾りつけにたくさんの初詣客が行列を作っていて、新しい年への期待と希望に満ちた活気を感じました。並んでいる間、少し寒かったのですが、家族とおしゃべりしたり、出店の甘酒の香りに癒やされたりしていると、あっという間に順番が来ました。
静かに手を合わせて神様に挨拶するとき、私は「健康第一で、家族や大切な人たちが笑顔で過ごせますように」とお願いしました。長すぎるお願いは良くないと聞くものの、ついついあれこれと願ってしまうのは人の常ですね。参拝を終えてからは、神社の境内にあるおみくじを引きました。今年は大吉が出るのではないかと密かに期待していましたが、結果は吉でした。とはいえ、悪くはないので前向きに受け止めて、書いてある言葉に耳を傾け、心に留めておこうと思います。

おせち料理と家族の団らん

初詣の後は、家に戻っておせち料理をいただきました。私の家では、毎年母や祖母が中心となっておせちを準備してくれて、昔から変わらない味を楽しめます。最近は市販品も充実していますが、やはり家族が作ってくれるおせちは格別です。
黒豆は「まめに働き、まめに生きる」という願いを込めて、紅白かまぼこは「めでたさ」を表し、栗きんとんには「財運をもたらすように」という意味があると教えてもらいました。昔は単に「おいしい」と思って食べていただけでしたが、年齢を重ねるにつれて、おせちの一品一品に込められた願いを噛みしめるようになりました。
何よりも、おせちを囲む家族の笑顔が新年の一番の幸せです。お祝いの席には雑煮も欠かせません。わが家は関東風のすまし仕立てで、鰹と昆布の出汁を効かせた、あっさりとした汁に四角いお餅を入れるのが定番。たっぷりの鶏肉と野菜を入れてコトコト煮込んだ雑煮は、見た目も華やかで、ほっとするおいしさでした。

お正月の楽しみと文化

食後は、少し休憩を取ってから年賀状を見ながらゆったり過ごしました。スマートフォンでメッセージをやり取りする時代ですが、直接気持ちがこもった手書きの年賀状をいただくと、温かい気持ちになれます。
午後になると、家族が集まってトランプやかるた、百人一首などの正月遊びを楽しみました。慣れない百人一首に苦戦しながらも、札を取る瞬間の緊迫感と「惜しかった!」という悔しさが妙に盛り上がります。最後にはみんなで笑顔になれて、やっぱりお正月ならではの特別感を味わいました。

新しい一年への思い

ふと気づけば、もう夕方になっていて、窓の外はやわらかいオレンジ色の夕日で染まっていました。こうしてのどかに過ごせる元旦は、なんと幸せなことだろうと思います。いつもは仕事や家事、勉強などに追われがちですが、お正月にはゆったりとした時間が流れ、家族との触れ合いや、日本の古き良き文化を改めて感じることができます。
今年も何か目標を立てたいと思ってはいるのですが、まだはっきりと決まっていません。ただ、これまで同様に、健康を大切にして、自分なりのペースで少しずつ成長していきたいという気持ちは変わりません。初詣で願ったことを思い返しながら、また明日からの毎日を大切に生きていこうと思います。
振り返ると、こうして家族と過ごし、日本文化に触れられる元旦が何よりもありがたいと感じます。そして、そこには日本の伝統と人々の思いがしっかり根づいているのだと思います。毎年おなじことの繰り返しのようでいて、毎年少しずつ変わりゆく自分自身と、取り巻く環境をかみしめながら過ごすお正月は、とても味わい深いものですね。

今日という一日が、きっとこの一年を彩る最初の一歩になると信じて、夜は早めに休もうと思います。新年が、そして今日の日記が、未来の自分にとって大切な思い出となりますように。


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